得意不得意
まぁ好みの問題ということでもないと思いますが。
体質とか性質とかの質です
向き不向きもあると思います。ロードバイク初心者の私が言うのもなんですが、ロードレースを見ていて必ず触れられるのが脚質というものです。脚の質。その要因としては筋肉の質が大きいとは思います。が・・・セラピストとしての見解は性格、つまり気持ちの問題もそれなりに影響していると思ってます。
ロードレーサーのタイプ
ロードレースのコースもいろいろタイプがあります。スタートからゴールまでアップダウンなしの平坦コース、峠を越えたり激坂を登る山岳コース、コーナーの多い市街地周回コースやほぼフルパワーのタイムトライアル。これらは力のかけ方の違いで必要な筋肉構成が変わってきます。人間の体はレース毎にパーツを入れ替えることが出来ないため、選手によって得意不得意が出てしまいますので、特にプロチームは役割分担して勝利を目指します。
今回はその中で主な4つのタイプを見ていきたいと思います。
スプリンター
下り坂とか追い風とか外的要因を除けば、最速ガチンコ対決です。駆け引きも当然ありますが、今は写真判定も取り入れられているので、ほんのミリ単位でも先にゴールすればいい、単純な争いで見ているほうも息が止まる勝負になります。陸上で言う短距離走です。
まず最初に脚質を語る上で一番分かりやすいのが太ももです。使い切ったら終わりの大腿四頭筋とハムストリングの違いでざっくり脚質が決まります。スプリンターは瞬間的な最大出力が最優先ですので、よりパワーが出やすい太ももの前の筋肉のほうが使いやすい体質が向いています。
パワー優先の体づくりですから筋肉量が重量に響いてきます。もちろん脂肪など余分な重量は落としますが、やはりその重さが山登りには不向き。速筋メインで鍛えるので長時間負荷をかけるのも苦手ですから、長丁場のレースは集団の中で省エネ走行します。
クライマー
それに対して、重量優先で体づくりしていくのがクライマー。山登りを得意とする脚質です。特にステージレースの場合、必ず山岳コースが含まれ、タイム差が生じやすいのも平坦コースよりも登り多めコースになるため、ツールドフランスのようなトータルで一番早くゴールする選手になるには、クライマーの要素が必要不可欠です。
登りはスピードが落ちるため、空気抵抗が減ります。パワーも当然必要ですが、それ以上に登る負担を軽くするために軽量化されたほうが、必要なパワーが減る、あるいは速く登れるようになれます。スプリントも速いので空気抵抗は一番大きいですが、アシストが風避けになったり、市街地ゴールで風の影響が少なかったり、空気抵抗をもろともしないパワーで押し切ったりできるので、空気抵抗対策の優先度は落ちます。
オールラウンダー
それぞれの脚質を満遍なく発揮できるタイプ。これが一番早そうですが、あちら立てればこちら立たずで、そんなにうまく行かないのが面白いところです。ホビーレーサーであれば、このタイプが一番速いでしょう。日常生活に支障も来さずバランスの取れたボディとなるでしょう。
トップカテゴリとなると話は別で、鍛えすぎて重くなると登れなくなるし、長距離巡行タイプだとゴール前で競り負けるし、絞りすぎると後半バテるし、器用貧乏な結果になりやすい脚質でもあるので、トレーニングをしっかり効率的に行わないとどっちつかずの平凡な成績に終わりかねません。
これがアシストとなると逆に重宝されます。いろんな状況で使いまわせるので、監督も大喜び、エースも感謝、個人競技だけどひとりでは勝てないチームプレーのロードレースにおいて、必要不可欠な脚質です。昨今、1チームあたりの出場選手数を減らす傾向があるので、それぞれのコースに合った選手を取り揃えるよりも、一人二役三役四役五役できるオールラウンダーがいてくれたほうが限りある枠を有効に使えます。
ルーラー
長距離巡行を得意とする脚質です。特にタイムトライアルで安定した結果を残します。もちろん、登りまくるコースをタイムトライアルに設定されてしまうとクライマー有利となりますが、スプリンターでは息切れしてしまうけど、休み休みいかないとたどり着けないほど長くない距離を負荷かけたまま走り切れるタイプとなります。安定志向なのか、他選手との駆け引きとか心理戦に弱いです。
脚質という性格
気持ちの問題の部分です。ホビーレーサーは自分の好みの脚質になるようにトレーニングすれば、ある程度は思い描いたタイプになれます。それは、人間の体は求めた方向に変化していくからです。
負けず嫌い
強気な性格、瞬間湯沸かし器(てか、今時湯沸かし器って死語?)が長時間安定走行なんてざわざわしちゃいますよね?がーっと行って燃え尽きたいという思考性で何年も何十年も生きてきた体はそれを実現しようと筋肉構成もある程度寄せてくれます。それをその目的に向かって的確なトレーニングをすれば、それなりのレベルまでは到達します。結果、俺が俺がタイプはスプリンターになりやすい。
ストイック
もちろんトップカテゴリで負けてもいいと思って走っている選手は皆無です。負けず嫌いなスプリンター以外の脚質の選手も当然、というか全員そうです。あくまで気持ちが脚質に及ぼす影響の可能性という話で、毎日トレーニングしているプロ選手は常に限界を超えることを目指しているので、気持ちが要因になる割合が減っていきます。
ルーラーに向いている人は飽きやすいとダメです。長時間安定走行する必要があるので、負荷をかけたまま放置されても平気な強い気持ちがないと、体もそのように成長していかないでしょう。忍耐力がつきやすい精神構造が必要です。
お人好し
まぁ、ちょっと表現がアレなんですが、クライマーって結構、そういうタイプがなりやすい気がします。気が利くというか、空気を読むというか。そこでやはりロードレースを語ると必ず出てくるのが弱虫ペダルですね。キャラクター設定も綿密に練られていて、人気が出て当然だと思います。
その弱ペダの主人公が小野田坂道。その名の通りクライマーです。そのライバルが真波山岳。こちらも名前通りクライマー。まぁフィクションですけど名が体を表していますね。まず坂道。ママチャリ出身である趣味のお蔭で自転車向きの体を手に入れていたシンデレラボーイ。まぁ、当然競技の世界に入ってからは努力してますけどね。対して山岳は病弱だったため、登りの苦しさに生の喜びを感じるようになりました。どんな激坂も楽しんでいます。選手でありながら勝負よりも自分の興味に素直なマイペース人間。一緒に登れると喜ぶので坂道にインターハイを意識させ結果、その坂道に負けてしまうという人の良さ。約束を律儀に守る坂道と苦しみに背を向けない山岳がお互いを意識しながら成長していくクライマーの人間性をうまく描いています。オタクで世間知らずでまわりを手こずらせる坂道と天然で平気で遅刻して怒鳴られる山岳。しかし、どちらも憎めない人柄という設定に共感できるとクライマーになれるかも?!
脚質の決め方
競馬は明確な定義があります。ただ、登りとかないし、最後はみんなスプリントだし(笑)
あるページで判定してくれるのがありました。性格診断みたいなものでした。要は好き嫌いってことでいいんでしょう。ということで、ロードバイク初心者は決めずにいろいろなコースを走ってみるということになりますね。そのうち得意不得意が出てくるでしょう。そんな変化もお楽しみください。
#今年中に決まるかなぁ・・・